怪談・怖い話 体験談

怪談・怖い話 体験談

見覚えのない家族写真

祖母が他界し、遺品整理のため実家に戻った。屋根裏部屋から出てきた古いアルバムを開くと、が挟まっていた。 写真には、祖父母と両親、そして幼い頃の私が写っていた。しかし、私の隣に見知らぬ少女がいる。家族全員が笑顔で、その少女の肩に手を置いている…

鏡の向こうの私

私には秘密がある。6ヶ月前から、鏡の中に「もう一人の私」が住んでいるのだ。最初は単なる幻覚だと思った。ストレスのせいだろうと。でも、鏡の中の私は、私が動かないときでも動いていた。そして、ある日、話しかけてきたのだ。 「こんにちは、本物の私」…

記憶の迷宮

私の娘、美咲が失踪してから3年が経った。 警察の捜査は行き詰まり、私たち夫婦の人生は停止したままだった。毎日が生きる地獄だった。そんなある日、見知らぬ男から一通のメールが届いた。 「お嬢さんの居場所を知っています。会いませんか?」 半信半疑で…

10年間の昏睡から目覚めた

私は目覚めた時、病院のベッドにいた。看護師が優しく微笑みかけ、「おかえりなさい。のよ」と告げた。混乱する私に、医師たちが状況を説明してくれた。10年前、私は交通事故に遭い、それ以来昏睡状態だったという。家族や友人たちが次々と面会に訪れ、涙を…

影からの囁き

私が最初に「それ」に気づいたのは、引っ越して3日目の夜だった。古びた一軒家は、祖父の遺産相続で手に入れたものだ。郊外の閑静な住宅街にあり、庭付きの二階建て。老朽化は進んでいたが、格安で広い家を手に入れられたことに、私は満足していた。 その夜…

置き去りにされた記憶

私は精神科医として20年以上働いてきた。様々な患者を診てきたが、3年前に出会ったある患者のことは今でも忘れられない。その患者は30代後半の女性で、激しい不安障害と鬱症状を訴えて来院した。彼女の症状の根源は10年前に遡る。彼女は当時、恋人と山奥でキ…

隣人の正体

私が新しいアパートに引っ越してきたのは、春のことだった。隣室に住む中年の男性は、いつも優しく挨拶をしてくれる好人物だった。しかし、夜になると奇妙な物音が聞こえてくるのが気になっていた。ある夜、その音が特に大きくなった。壁を叩く音、何かを引…

永遠の家族写真

私は写真館を営んでいる。先祖代々続く商売だ。デジタルカメラの普及で、街の写真館は次々と姿を消していったが、うちは古風な雰囲気と高品質な仕上がりで、細々と営業を続けていた。ある日、一組の家族が来店した。父、母、小学生くらいの男の子。家族写真…