私は今でも、あの日のことを思い出すと震えが止まらない。
3年前、私は友人と山奥にあるペンションに泊まりに行った。その日は生憎の雨。到着すると、オーナーは不在で、代わりに中年の管理人が出迎えてくれた。
夜、友人と話をしていると、奇妙な物音が聞こえてきた。2階からだ。管理人に尋ねると「他の客はいないはず」と首を傾げた。
好奇心に負け、私たちは2階へ向かった。廊下の突き当たりにある一室から、かすかに赤い光が漏れていた。ドアを開けると、そこには想像を絶する光景が広がっていた。
部屋全体が赤く染まっており、床には血の跡。そして、バラバラになった人体の一部が、まるでパズルのように並べられていた。
恐怖で声も出ない中、背後でドアが閉まる音がした。振り返ると、そこには血まみれの管理人が立っていた。彼の手には大きな包丁。
「よく来てくれました。私のコレクションに、あなたたちを加えさせてもらいます」
私は咄嗟に窓へ飛び込んだ。ガラスが割れ、2階から地面に転げ落ちた。痛みで意識が遠のく中、友人の悲鳴が聞こえた。
気がつくと病院のベッドの上だった。警察の話では、私が通報した後、現場に駆けつけたが、管理人の姿はなく、友人も行方不明だという。赤い部屋で見たものも、誰も信じてくれなかった。
あれから3年。私は今でも悪夢にうなされる。そして、時々、鏡に映る自分の姿が、あの管理人に見えることがある。つい先日、冷蔵庫を開けたら、中に見覚えのある包丁が...。私は一体、あの夜何を見て、何を体験したのだろうか。そして、この恐怖はいつまで続くのだろうか。