怪談・怖い話 体験談

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見覚えのない家族写真

祖母が他界し、遺品整理のため実家に戻った。屋根裏部屋から出てきた古いアルバムを開くと、が挟まっていた。
写真には、祖父母と両親、そして幼い頃の私が写っていた。しかし、私の隣に見知らぬ少女がいる。家族全員が笑顔で、その少女の肩に手を置いている。
不思議に思い、母に尋ねた。母は写真を見るなり、顔色を変えた。
「この子のことは、誰にも言わないで」と、震える声で言った。
その夜、私は悪夢にうなされた。夢の中で、あの少女が笑いかけてくる。「お姉ちゃん、一緒に遊ぼう」と。
翌朝、再び写真を見ると、少女が私の方を向いていた。昨日と違う...。恐ろしくなり、写真を破ろうとしたが、どうしても破れない。
その日から、奇妙なことが続いた。家中から子供の笑い声が聞こえ、廊下に人影が見える。鏡を見ると、背後にあの少女が立っていることもあった。
ある晩、祖父の日記を見つけた。そこには衝撃の事実が...。
「娘が生まれた。だが、双子の片方は奇形だった。妻の精神のため、その子は...処分した」
震える手で日記を閉じると、背後に気配を感じた。振り返ると、あの少女がいた。しかし、今度ははっきりとその姿が見える。歪んだ顔、不自然に曲がった手足...。
「お姉ちゃん、私を家族に入れて」少女が言った。「そうすれば、みんな幸せになれるよ」
気がつくと、私は屋根裏部屋にいた。手には古いカメラ。そして家族全員が、にこやかに私の前に立っていた。
「さあ、家族写真を撮りましょう」祖父が言う。
「この子も一緒にね」母が、あの少女の肩に手を置いた。
カメラのシャッターを押す。フラッシュが焚かれ、一瞬部屋中が真っ白になる。
...気がつくと、私はアルバムの中にいた。家族と一緒に、あの少女の隣で笑顔を向けている。永遠に...。
外の世界では、新しい家族がこの家に引っ越してきた。屋根裏からアルバムを見つけ、不思議そうに開く。
「ねえ、この写真に写ってる子達、なんだか笑顔が不自然じゃない?」