怪談・怖い話 体験談

怪談・怖い話 体験談

小さな YouTube チャンネルを運営している

私は小さな YouTube チャンネルを運営している大学生だ。先月、「24時間廃墟で生活」という企画を思いつき、友人の健太と実行することにした。

場所は郊外にある廃病院。夜の9時、我々は機材を持って忍び込んだ。最初の数時間は順調だった。薄気味悪い廊下や古い手術室など、視聴者受けしそうな場所で撮影を進めた。

深夜2時頃、バッテリー切れで予備に交換しようとした時だった。画面に映った自分たちの後ろに、白い人影が写っていることに気づいた。振り返っても何もない。きっと疲れているんだと自分に言い聞かせた。

そのうち、奇妙なことが続いた。ドアが勝手に開閉する音、どこからともなく聞こえる泣き声。そして、カメラのバッテリーが異常なスピードで減っていく。

朝方、ついに恐怖に耐えきれなくなった我々は、企画を中止して逃げ出した。家に帰り、撮影した映像を確認して愕然とした。我々が映っていないシーンがあったのだ。まるで誰かが勝手にカメラを持ち歩いているかのような映像が何分も続いていた。

その日の夜、編集した動画をアップロードした。すると、コメント欄が奇妙な書き込みで溢れた。

「4:21の左奥の窓、何か見えるよ」
「9:56で人の顔が一瞬映ってる!」
「12:30から始まる走る音、怖すぎ」

しかし、私にはそんなシーンは一切記憶がなかった。恐る恐る該当箇所を見返すと、確かにコメントの通りの現象が起きていた。

そして、動画の最後。カメラは廃墟を後にする我々の背中を映していたはずが、何故か病院の中から外を向いて撮影されていた。走って去っていく我々を、誰かが見送っているかのように。

その時、スマホに通知が入った。健太からのメッセージだ。

「お前も気づいたか?ヤバいよな。あの病院に何か居たんだよ。それにしても、お前の後ろの奴、一体何者だ?」

震える手で後ろを振り返る。そこには...

今でも、私の YouTube チャンネルは爆発的な人気を誇っている。毎日新しい動画がアップロードされ、視聴者は私の日常を楽しんでいるようだ。ただ、最近のコメント欄には奇妙な書き込みが増えてきた。

「投稿者の目つきが変わった気がする」
「なんか違和感ある。これ本当に○○くん?」
「後ろに誰かいない?」