怪談・怖い話 体験談

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夜の囁き

私は都内で一人暮らしをしている24歳のOLです。仕事に追われる毎日で、家に帰ってくるのはいつも夜遅くになります。

その日も、疲れ果てて帰宅し、シャワーを浴びてすぐにベッドに潜り込みました。

深夜、かすかな囁き声で目が覚めました。「テレビつけっぱなしにしたかな」と思い、目を開けると部屋は真っ暗です。手を伸ばしてスマホを確認しましたが、動画も再生されていません。

「気のせいか」と自分に言い聞かせ、再びベッドに潜り込みました。

しばらくして、また目が覚めました。今度は胸元に違和感があります。何か重いものが乗っているような...

恐る恐る布団をめくると、そこには女性の首だけがありました。長い黒髪を垂らし、青白い顔で、目を大きく見開いています。そして、その唇が動き、何かを囁いています。

私は声も出せないまま、その首と目が合いました。すると、女性の顔がゆっくりとほころび、満面の笑みになりました。その笑顔には歯が見えず、ただ真っ黒な口の中だけが見えました。

そして、その黒い口から聞こえてきたのは...

「お・か・え・り」

その瞬間、私は気を失いました。

気がつくと朝になっていて、首はどこにもありませんでした。でも、枕には長い黒髪が何本も落ちていて、そこが濡れているのを感じました。

あれから、私は眠るのが怖くてたまりません。毎晩、あの囁き声が聞こえる気がして...そして、布団の中に誰かがいる気配を感じるのです。

もう限界です。でも、眠らなければいけない。だって明日も仕事だから...

今夜も、震える手で布団に潜り込みます。そして祈るのです。
「どうか、あの首が来ませんように」と。